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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

「あの人とここだけのおしゃべり」

 まだしつこく昨夜来の雨が降っていますね。今朝はちょうど雨の止み間を見て、買い物に行って帰ってきたら、ちょうどマッサージの先生が来られたところでした。午前中はそれでおしまい。本当ならここでお絵描き体勢に入れると言うことないんですが、まだ描きたいもののイメージがまとまらなくて怠けてます。

こういう時期はちょうど読書にいいんだなあ、ってことで、たまっている本を頑張って読んだりしております。

波津彬子さんの「雨柳堂夢咄」12巻も無事に朝日新聞社から刊行されて、それを頼んでいたコンビニでもらってきたことでもありますし。雨だから読書っていうのもいいかなあ…。

Web拍手ありがとうございます。

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 「あの人とここだけのおしゃべり」よしながふみ対談集

これはたまたま地元の書店で見つけまして、手に取ってみたらやはり面白そうだったので…。

漫画家のよしながふみさんと同じく漫画家さんや小説家さんとの対談集なんですが、これがかなり深い内容というか、創作に関心のある人間にとっては実に面白い内容の本でした。

実は対談相手の漫画家さんは名前しか知らない人もいるんですが、そういう危惧はなくて、好きなものの対談みたいな形なので、わかりやすいですね、やはり。

よしながふみさんて世代は全然違うのに、結構近いものを感じるなあ、と思っていたら、漫画の読書体験がかなり似ていたみたいですね。まあ、すでに完結したものを読みました、っていうのが違ってはおりますが。

日出処の天子」の連載を小学生の時に読んで「すごく怖いと思った」そうですが、あれは大人だった私が読んでも結構怖いと思ってましたしね。きちんと24年組の人たちの完成度の高い作品を読みつつ育ってきた人なんですね。なんだか納得。

これは対談相手のひとり、三浦しをんさんもそうですが。

少女漫画と少年漫画にはそれぞれの文法みたいなものがあって、ちょっと訓練しないと読めないこともある、という話とか、ああ、そうなんだ、と気がついたりさせられました。

日本とアメリカでの最大の宗教は「恋愛」なんだ、って以前誰かが言ってたなあ。でもその信仰にはまらない人間も当然いる、というのもね。すごい納得です。で、恋愛を最上のものだと信仰する大多数の人たちは、それを探して右往左往しているわけだけど、うまく相手が見つからないと本当に退屈してなにをすればいいのかわからなくなってしまう。

でも、表にちょこっと現れた「点」と「点」の間の「線」の部分を想像とか妄想とかで埋めていく作業の楽しさ覚えた人間は退屈している暇はない、って。そうだよなあ…。

「点」の部分は漫画のコマの間だったり、小説の行間だったり、ドラマのCM部分だったり、その他もろもろいろいろありますが、三浦しをんさんのエッセイなんか、あまりの想像というか妄想の見事さに兜を脱いで抱腹絶倒させられたりするんですが。秊

…まあ、本当に退屈している暇なんかないですよね~。そういう共感とか。

羽海野チカさんとの対談では、漫画の原作が他のメディア化されることに対しての作者の率直な感想とかも聞けて面白かったです。

製作者がそれだけ自分の作品に手間ひまをかけてくれるっていうのは、よほど作品に惚れ込んでいないと出来ないということで、それって作者にとっては熱烈なファンレターみたいなもんじゃないかなあ…と、これは私自身が常々思っていることなんですが。よしながさんも羽海野さんももとは同人誌をやってた人だけに、そういうのがよーくわかるみたいですね。だからお金儲けがしたいみたいに思われると哀しいと…。そうだよね。

私が基本的に同人誌を応援しているのもそのあたりの理由が大きいです。ファンとしての気持ちってよくわかりますし。よほど惚れ込まないと二次創作って出来ないと思うのですよ。

ここではとても挙げられない多様な内容の対談集ですので、創作に興味のある人には特に面白く読める本だと思います。撚

…そういえば、よしながさんは「メロディ」で川原泉さんなどとも対談していて、あれも非常に面白かったので、是非2巻を出して欲しいなあ、と願ってしまいますね。

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