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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

他者に尊敬されるのは年齢とは関係がない

最近、いくつか続けて「老人が尊敬されない時代になった」というような主旨の記事をいくつか見つけたので、そのことについて書きたくなりました。

 

読んでいるうちに正直なところ「尊敬に値する点、というのはなんだろう??」という素朴な疑問が生まれてきたのです。

 

たとえば専門的な分野での優れた技術、業績などはわかりやすいし、気付きやすい点でもあるし、そのことに対して、思わず「尊敬の念を抱いた」というのもわかりやすいですね。

 

 

でも「尊敬に値する点」っていうのは本当にそれだけ? 技術は教えてもらうことが出来るし、師匠から教わった技術がいつしか師匠を追い越していたりするかもしれない。そうしたら、師匠のことを尊敬出来なくなったりしますか?おそらくそうじゃないと思います。厳しく注意されたことでも、実際にその場に役立った時に、ああ、あれは自分のことを先まで心配して教えてくれたんだ、って実感する時が来て、初めてありがたさがみにしみて、改めて尊敬し直すことってあると思うんですよね。

 

技術とか、業績とか、経験とか、そういうことはあまり本質ではない、と私は思っています。

 

それではなにが「尊敬に値するものなのか?」と言いますと、それは「人間性」それに尽きますね。

 

確かな技術や業績や立場などの裏にあって「その人をその人たらしめてきたもの」「長い時と経験が磨き上げてきたもの」…そういうものが「人間性」であり、最も尊敬に値するものだと思っています。

 


で、その人間性の視点から見ると、尊敬の対象は老人だけではありません。同じ世代の中にも、自分よりも年下の世代の中にも、尊敬に値する人物は存在します。

 

私はわりと広い世代の年齢層と知りあうことも、おつきあいすることも多いのですが、やはり「人として尊敬に値する人物」は広く各世代に分布して存在しています。私はそういう人を見つけるのが上手いんですよ (^_^)

 

それというのも、アドラー先生風に言うと、誰とも同じ高さの平原にいるからで、困った時には助け合うことが出来る機会にしばしば恵まれているからです (^_^)

 

若くても、老人でも、同じなんです。同じじゃないけど対等なんですね。立っている高さがみんな同じだから、人間性っていうのもよくわかります。

 

たとえ認知症になったところで、本質的に変わらないものってあるんですよね。そういうのも人間性の一部だと思っています。極端に言えば裸で何も持たずに立っていても「見る人が見ればすぐにわかる何か」です。もちろん「見る側」にも能力が必要になるんですね。

 

 


知識や知恵を伝えるのは老人でなくても出来るかもしれませんが、でもそれ以外のことで老人でなくては出来ないことも多々あるんだなあ。私はもちろん両親のことも尊敬していますが、他にも尊敬する高齢者がたくさんいます。同世代の中にも尊敬する人はいるし、もっと若い世代の人でもそうです。実は「尊敬」するのに年齢は関係ないんですよね。どこまでも対等に見ることでわかることは多いです。

 

相手の人間性をそのまま見るにあたって、立場とか学歴とか業績とか、そういう文字で書いてしまえるようなものはかえって邪魔なんです。私はSNSでも相手のプロフィールはほとんど見ていないんですが、それもそういう判断の邪魔になるからですね。そういうものにこだわらない方が「裸の人間性」がよくわかるから。それによって尊敬できる相手がよくわかるから…。

 

 


みなさん、アドラー先生に興味を惹かれるわりに、そういうところに気付いていないみたいで、かなりもどかしいですね (ーー;) 年齢も性別も国籍も学歴も、業績も、そういうことを全部とっぱらったところで、対等の相手を見て欲しいです。

 

やがて自分が「尊敬される人間(老人と言いたいならそれでもいいや)」になりたければ、今のうちにそれに気付いて人間性を高める努力をしておかないと駄目ですよ。

 

まずは老若男女問わず、尊敬に値する人とたくさん知り合って、楽しく実のあるおつきあいをしてください。そうすれば「本当に大事なこと」が見えてきますから…。いろんな世代のいろんな友人知人はみな、良き人生の師匠でもあります。

 

私はいつも言っていますが、「老人は生きた歴史の証言者、若者は未来への旅人」だから、しっかりと掛け橋を渡すのが私たちの世代の大切な役目でもあるのです。

 

みんな対等なんだよね。年上から尊敬される若者だって子供だって存在するんだよね。本質をしっかりと見極めることが出来る人は、人生でより多くの宝物に出会えるのは紛れもない事実です。ただし、それを見つけて発掘する努力も必要とされますが… (^_^;)

 

 

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