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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

「人は死なない」

昨日はtwitter関連のニュースを眺めていて、次第に鬱が強くなってきたので、早めに退散致しました。

 そのおかげで、というのもなんですが、ラフがだいたいまとまったので、今日からぼちぼちとIllustratorでの線画にかかれるといいなあ、と思っております。本当にスローペースですけどね。

 気分が滅入る時にはテレビも新聞も音楽も辛いので、自然と本に手が伸びます。

昨夜読んだのはこちら。

「人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-」矢作 直樹

内容は個人的には周知のことばかりでしたが、これを書かれたのが最も人間の生死の境目に立ちあう機会が多い臨床医だという立場の方です。それゆえに「ああ、やっとここまで来たんだなあ…」という妙な感慨を抱いてしまいました (^_^;)

科学に造詣が深い科学者ほど、さらに深い深淵を理解されていると思いますが、お医者さまの場合もやはりそうなんだろうな、と私はかねてから思っておりました。

どれだけ手を尽くしても命が尽きる人もいれば、とても不可能に近い状況から生き延びることが出来る人もいるし、そのあたりの不思議さはどこかで医学の領域を超えるのではないかと思います。

いずれの分野にしても、そういうことをきちんと認識されていて、自分たちに出来ることが万能だとは決して思われていない専門の方々を私は最も信頼しております。

著者は「摂理」と表現されています。「自然の摂理」「生命の摂理」「宇宙の摂理」などなど…。うん、「摂理」っていい表現ですね。

「摂理」はあらゆる宗教を内包し、なおかつあらゆる宗教を超えるものでもあります。それを理解できる人たちばかりならば(おそらくすべての教祖と呼ばれる人たちはそうだったんでしょうね。イエスしかり、ブッダしかり…)宗教の名のもとに戦争などは起きなかっただろうな、と思うのですが、あるいはそれは真理を知らしめるための手痛い犠牲だったのかもしれないなあ、と思ったり…。

著者と共にじっくりと思索にふけることが出来るいい本でした。この矢作先生もおそらく私と同世代と思われますが、全然違う過程を経て、奇しくも同じと言えそうな道標に辿り着いたご縁というか、その不思議も素敵だなあ、と思っております (^_^;)

…そういえば、一昨日「癒される本」としてご紹介した作品たちも、そういう生死の狭間を真摯に、なおかつ優しく見つめた物語ばかりだったなあ…、と改めて気付きました。

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