出来れば目をそらさないで欲しい現実
私はテレビを見ていませんが、どうもかなりの衝撃を持って受け取られたらしい番組、「介護殺人」という番組。
YouTubeで見つけたので、リンクしておきます。
NHKスペシャル 私は家族を殺した 介護殺人 当事者たちの告白
NHKスペシャル 私は家族を殺した 介護殺人 当事者たちの告白
介護をしている人に行ったアンケートの結果
ゆえに今日の話題は重いです。でも現実です。私自身も体験してきたことです。目をそらせても依然として存在する現実ですから、私は目をそらせたくありません。
誰も自分が生き残ろうとは考えてはいないのですね。家族を殺して自分だけが生き残りたくはない。それはやっぱり愛のひとつの形だと思います。
実際にそこまで追い詰められます。在宅での家族介護ってそういうものです。私もあります、正直に言えば。そういう追い詰められ感が痛いほど理解出来ます。
二人か三人の手があれば理想かも
父の介護の時は、まだ母も乳がんの手術後1年半くらいでしたが、それでも懸命に手助けをしてくれたので、私も母と相談をしながら介護していたので、家の中でもそれなりに笑いがあって、あまり辛さを感じないものでした。
第一に死を怖がる父をいかにして怖れることなく、平穏の幸せに看取ることが出来るか?というのが大きな課題でした。要介護5で、胃ろうもしていて、重度身障者でもある父ですから、ショートステイやデイサービスも無理ですし、利用できるサービスというと、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリくらいですしね。それと主治医の往診と。
「藤本さんのところは介護保険の点数もいっぱい余ってますよ」とケアマネさんはおっしゃいましたが、当時はそれでもわりと十分だったんですね。3年10カ月。
誰も助けてくれないと感じる孤独
比較して、母の介護は実質私一人です。24時間365日ずっと看てるんですね。そうすると父の時とは全然違うんですね。重い荷物を二人で分けて持つのと、一人で全部背負うのとは負担が全然違うと思います。
それでも特養に申し込みするか否か、半年以上悩みました。早朝にケアマネさんに電話して、「もう無理です」と言うのですが。私の病気は早朝が一番具合が悪いとご存知のケアマネさんは「早朝の電話は落ち着いて様子を見よう」と決めてらしたようです (^_^;)
でもそのうちにそれ以外の時間帯も言い出したので、正式に書類を書いてもらって半年後、無事に今の特養に入所出来た次第です。1年半の在宅介護でした。今は距離と時間が落ち着いた気持ちになることが出来ています。本来はこうでなければいけないのだと感じています。
メンタルな持病持ちの私がどうしてそこまで頑張れたかというと、ネットやリアルで相談に乗ってくださった医療や介護関係の方々のおかげと、同じく介護の当事者である人たちとの励ましあいでしょうかね…。
買物でもなんでも2時間以上家を空けるわけにはいきません。ほとんどどこにも行けません。家のことを忘れて、母のことを忘れて楽しむ気持ちにはなれません。
疲れた、一人になりたい
母の介護中、一番私が願っていたのは「一人になりたい」でした。これはいまでも思っていますけど。家族の都合で縛られることなく、時間と生活を主体的にやりくりできたなら…と思っていました。
心身共に追い詰められた介護者が、一時的にでも当事者の立場から逃れることが出来て、出来ればカウンセリングを受けることが出来て、疲れを休めて気力を充実させないと無理だわ、続かないわ、と思いました。
それじゃあ、その間介護が必要な人を誰が看るか?ですが、ショートステイが可能ならいいですけど、それも難しければどうしたらいいのか?
孤独に追い詰められるばかりか、誰も替わってくれる人がいない。ひとりではそもそも無理だと思っています。子供がいるなら、子供たちが交代で、介護を替わることが出来るなら…。追い詰められるのは本当に無理ないことだと思います。その切実な思いっていうのは私にはすごく理解出来ます。
認知症で、それなりに動ける場合のパターンは一番大変かもしれません。でもそれが結構多いんですよね。
大変だと思ったら手を貸して!心を傾けて!
この事件で多くの人の涙を誘った方も、結局は亡くなられました。
このようなことが増える世の中では誰も幸せになれません。
みんなで真剣に考えることが急務ではないかと思います。
こういうこと真摯に乗り越えて来たら嫌でもメンタル強くなるわよ、私 (ーー;)