昨夜は足と背中が非常にだるくて寝付かれず、うとうと悶々とする時間を過ごしていたんですが、夜中の2時頃にふと、以前母が「足がだるい時は心臓とも関係があるんやで」と言っていたのを思い出し、ああ、それなら睡眠薬よりもこっちのほうがきっと効くなあ、というので救心を2錠飲んでみたら…。効きました。2〜30分で眠りに入りました。
特に動悸は感じてなかったけど、でもとにかく眠れました。今朝起きたらまだやっぱり足はだるいですが… (ーー;) 今日はまたお弁当屋さんにお願いして、ぼーっとしていよう。それでまた明日は母のところに行ってこようと考えています。自分がしんどいと全然マメに行けないですね。仕様がないですけどね…。
同じ病気の方々がしんどい時はどうしても(身体に悪いとわかっていても)ついパン食に走ってしまう、というのがよくわかります。気力がないとご飯なんて作れないもんね。さっき手作りパンのお店が車で売りに来ていたけど、美味しいけど高いのが難だしなあ… (*-д-)-з
で、眠れなくて悶々としながら、なんとなく三浦しをんさんのエッセイをぱらぱらめくっていたら、自動車教習所でのこういうエピソードに出会いました。
乗り合わせた教官ほとんどに「あんた運転に向いてないよ」と言われた。「たまにいるんだよね。鈍くさくて車の速度に対応出来ない人って」もちろん適性検査にもひっかかって教官室に呼ばれ、「頭ではなんとか判断できても、その命令を身体に伝えるまでがのろすぎるの、あんたは」とグウの音も出ないご指摘を受けた」…そうです。
そののちに歌舞伎に出会ったしをんさんは「こんなに私のバイオリズムにぴったりな、のんびりした世界があるんだ」と感動。(この方、文楽もお好きだったはず)
………なんだかあまり他人とは思えない。違うのは私の場合はやる前から「無理だ」という自覚があったことでしょうか。運転したら絶対に他人にケガさせる自覚がありました (ーー;) ケガどころか死に至らしめる可能性があるのが車だからやめておく、というのが我ながら懸命な判断だったと思うんですが。
(しをんさんは半年がかりでえらい苦労しながらなんとか免許は取ったものの、車には数回しか乗っていないそうです)
で、しをんさんにちょうどいいバイオリズムの世界が歌舞伎だったとすれば、私にはお能のリズムがちょうどよかったのかもしれません (^_^;) なんたって、リラックスするし、リラックスしすぎてたまに寝ちゃいそうになるし、精神安定剤も不要でそこまでリラックス出来る世界というのもまれだと思います (^_^;)
でも室町時代にはあれが普通のリズムで、身分の上下に関わらず、芸能として楽しまれた世界なんだよね。一日がかりの舞台だから、お弁当持参で家族ぐるみで見に行く舞台。新しい演目が披露されればドキドキワクワクしながら楽しんだのでしょうしね。農民だったら農閑期の楽しみかな?時間がゆったりと流れていた時代ですね。
それでも各地に戦乱は絶えず、それにも負けずに一座を率いて旅する能役者たちや、日常の中の娯楽で憂さを晴らす人々のたくましい生き様が想像出来るようです。
能も歌舞伎もいまでこそ伝統芸能で、鑑賞者を選ぶように思われていますが、もともとは本当に庶民のエンターティメントだったんですよね。だから思うよりも敷居は低いです。もともとの素材になっている古典作品に詳しいと、より楽しめるというのはありますが…。もともと古典が好きだった私はあっさりすんなり馴染みました。
「自分には理解できないから価値がない」と決めつけちゃうのはあまりにも無謀でしょう。特に公で影響力のある立場の人がそういうことを言うのはよくないですね。(どこぞやの市長とかね〜。ああいうのは反知性とは言わないんだろうか??)
ありがたいことに、少女漫画の世界には、お能の入門にもってこいの作品があります。成田美名子さんの「花よりも花の如く」は青年能楽師の日常を面白く描いてあります。成田さんもかつては外国が舞台の作品を描かれることが多かったですが、「Natural」以降はかなり日本的な背景を描かれていますね。人間はある程度の年齢になったら、自国の文化に回帰したくなるのかなあ、と思います (^_^;)
もうひとつ、絶版かもしれませんが、木原敏江さんの「淵となりぬ」も能の創成期に近い時代を描かれています。まだ「猿楽」と呼ばれていた時代ね。興味がある方にはおすすめです (^_^)