で、まあ、現実はこんなところだと…。
私もなにをどう考えればいいのか、次第にわからなくなりつつあります (ーー;)
なんともため息ばかりですが…。
いつものように以下より転載させていただきます。
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/14/tanemaki-jul-13/
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内容書き起こし
(水野;京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。小出さんこんばんわー)
小出:こんばんわ。
(水野:よろしくお願いします。)
小出:よろしくお願いします。
(水野:そして東京の近藤さんです。)
(近藤:どうもよろしくー。)
小出:はい、よろしくお願いします。
(水野:まず今日は夕方行なわれました菅総理の会見の中身の発言について。わたくしずーっとみていて聴いておりまして、いろいろとえっ本当にそうなのと思うことがありましたので、是非鯉で先生に伺いたいと思います。)
小出:はい。
(水野:まずですね。菅さんは今の福島第一原発事故の状況について説明をしているときにこんなふうにおっしゃったんです。ステップワンはほぼ予定通りの日程で進んできている。)
小出:(笑)
(水野:これは本当なんですか?)
小出:とんでもない話ですね。
(水野:やはりとんでもない話ですか)
小出:はい。
(水野:ステップワンというのは何を目指していたんでしたっけ?)
小出:安定的な冷却だったんじゃなかったでしょうか。
(水野:そうですよね。安定的に冷却ができている状態を作るということ。ほぼ予定通りの日程で進んできてるなんてことはとんでもないと。)
小出:はい。
(水野:菅さんはこうもおっしゃったんです。冷却についてもですね、小さいトラブルはあるが大筋動き出していて原子炉に対する安定的な汚染水を出さない冷却が可能になるなど、ステップワンが進んできている。これいくつかポイントがあるかと思いますが、まず小さいトラブルがあるけど、大筋動き出している冷却システム、これは本当ですか?)
小出:えー、私はまずその根本的に間違えてると思うのですね。その東京電力がロードマップをはじめ作ったときには、原子炉の炉心という部分には半分まで水があるというそういう前提でロードマップが作られました。つまり炉心はまだその圧力容器の中にちゃんと残っていると。だから水さえ循環すれば安定的な冷却ができると。そのために冷温停止という言葉まで使ったわけですね。ところが5月の12日になって実はもう炉心は全部溶けちゃってましたと、言い出したわけで。もうロードマップの前提自身が全く崩れてしまっているわけだし、冷温停止なんていうテクニカルタームはもう使えない状態にすでになってしまっているのです。つまり安定的冷却もへったくれももうないというそういう状態に陥ってます。
(水野:冷却したかった、するべきものがもうそこにはないと!)
小出:そうです。
(水野:この大前提を居間も認めない状態の話だ、ってことですね?)
小出:うんまあ私にはそう聞こえます。
(水野:はあー。汚染水を出さない冷却が可能になるっていうふうに今日の会見であったんですけど、これどういう意味ですか?)
小出:私から見ればあきれた話で、すでに12万トンもの汚染水がコンクリートの構造物の中にたまっていて、それがもう毎日もれてしまっているという、そういう状況なんですね。それをなんか浄化設備が動いた動かないやで大騒ぎをしてるわけなんですけど、そんなことほとんど本質的に関係がないことです。
(水野:なるほど。大前提がもうちがっているということです。)
小出:はい。
(水野:そして更にこういう発言もありまして。ステップツーを前倒しにすることでこれまで住んでいらっしゃった地域の皆さんに元の場所に帰ってもらえるんかどうなのか。どこの地域の方は帰ってもらえるのか、どうなのかと、いったことを次第に具体化できる、とおっしゃったんです。)
小出:はい。
(水野:つまり福島の皆さんにできるだけ帰ってもらえるような策を取るという意味だと思うんですが、これは現実的なんですか?)
小出:私はもちろん帰ってもらいたいと思いますけれども、えー、すでに生じてしまっている汚染に関しては何の手のうちようもありませんので、ロードマップができようができません、出来なかろうが、そんなことは何の関係もないのです。
(水野:はあー。例えば土壌汚染を表面5センチほど削ることによって帰ってもらえるというような策というのは無いんですか?)
小出:例えばその学校の校庭の土というのは、私は表面5センチ削って欲しいと言ってきましたけれども、いわゆるその、生活している場所。例えばその、田畑ですとかですね、さんげん(山間?)だってあるわけですし、家の庭、家の裏山等々そんなもの全部を剥ぎ取るなんてことは実質的には出来ません。
(水野:はい)
小出:剥ぎとってじゃあ土をどこにやるのかといえば、やり場もないということになりますので、えー、ごくごく特殊な場所、学校の校庭とか幼稚園の園庭とかそういうところを剥ぎ取るというのはもちろんやるべきだと思いますけも、すべてを剥ぎとってそこに人々を戻れるようにするというのは基本的に出来ないと思ったほうがいいです。
(水野:近藤さん?)
(近藤:はい。あの先生ね、で、結局まあ保安院だけじゃなくてその原子力安全委員会のダブルチェックの方針も菅さんはいうてるわけですがね。僕はその、ダブルチェックって言ったってですね、危険なものは何やったって危険なんじゃないかと思うんですがね。)
小出:私は近藤さんに全く同意します。そのとおりです。
(近藤;それとましてをや政府が責任を持つって言ったって何の責任をもってくれるのかって思ったりするんですがね。)
小出:そうですね。事実として何の責任も取らなかったわけですね。今回の事故に関しても。
(近藤:だからあのー、いろんなことをまあ、それ以前から言い始めてるんですが、そのー我々がそれによってこの、どう信頼・・・なんかこう意味のあること今あるんですかね? 菅さんの言ってることで)
小出:(笑)。わかりませんけどなにか菅さんは原発のない社会を目指してっていうようなそんなことを言ったらしいんで。でも私は元から政治が嫌いだし、菅さんが何を言ってもどうぞお好きに、とぐらいにしか期待ができないんですね。どうせ菅さん、あと何ヶ月かしたらどっちにしてもいられないでしょうし、また政治が変わってしまうというふうに思いますので、なんかパフォーマンス的になんか言ったところで結局はダメなんだろうなという私はまあ個人的な政治への絶望というのがあるからかも知れませんけれども。特別期待もできないと思います。
(水野:今日菅さんの発言の中にはですね、これからの見通しについて中長期的な工程表のこともおっしゃってたんですね。具体的な廃炉、まあ炉を全部解体してしまうということですよね。)
小出:はい。
(水野:廃炉にたどり着くまでには5年10年、更に長い期間を要するが、という話がありました。あの、これだとそんなに長い期間必要ないようなイメージがするんですけれどね。)
小出:そうですね。5年10年なんて。5年なんて数字を言葉にすることだけでも失格だといったほうがいいですね。
(水野:先日明らかにされた中長期の工程表でも、廃炉に数十年というような数字が出ておりました。この数字についてはどうですか?)
小出:もちろんです。ですからチェルノブイリだってまあようやく今25年経ったわけですけれども。1度作った石棺がもうボロボロになって第2石棺を作らなければいけないというそういう事態になってるんですね。えー、福島の場合にはもっと難しい、3基4基と壊れてしまってるわけですし、もう炉心が崩れ落ちて、メルトダウンしたと言って国も東京電力も認めているわけで。それは多分地下に沈み込んでいってるだろうと私は皆さんに聞いて頂いているし。それを本当にどうやって閉じ込めることができるのか。落ちてしまった炉心をどうやって回収できるのか。考えただけでも機が遠くなるような作業が、これからやらなければいけないのです。
(近藤:先生あのー、地下に沈み込んでるものについての問題点の指摘っちゅうのはまるで聞こえてこないんですよね。)
小出:そうですよね。
(近藤:これは地下に沈み込んでるからいいと思ってるんですかね?)
小出:わかりません。私はですから地下水に接触する前に、えー、覆い、囲いを作って、汚染の広がりを防いで欲しいといったわけですけれども、結局それも何の手立ても取られないまま今日まで来ているわけですし、なんか毎日新聞の方がそれをあちこちに取材をしてくれたら1千億円のお金がかかるので東電の株主総会の前には言えないとか、そんな話だったとか、いうことが新聞に出ていたと思います。政治の世界というのは困ったものだなとその時も私は思いました。
(水野:どうもありがとうございました。)
小出:はい。
(水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。)
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