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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

「ヤラセメールは慣習だったしありふれた出来事だった」小出裕章

そうだったんですか、びっくり。

それだけ困った慣習が普通のことになっていたんですね。

根っこが深いなあ… (ーー;)

いつものように以下よりの転載です。

http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/08/tanemaki-jul-7/

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7月7日 「ヤラセメールは慣習だったしありふれた出来事だった」小出裕章MBS

内容書き起こし

玄海原発再稼働問題。テレビで説明された国の説明番組に対して原発再稼働賛成のメールを送るように九州電力の社員が関連会社などに依頼したという出来事がありました。このヤラセメールに関して小出さんはどう思いますか)

小出:相変わらずだなあと思いました。

(あいかわらずですか)

小出:はい。昔からよくあったことですので。

(むかしからあったんですか。)

小出:はい

(でもにわかには信じがたいんですが。結構こういったことってほんとに行なわれていたんですか)

小出:えーと私は内部からずっとその話を聞いていましたのでもう原子力をする人たちはそういうことをやってきたということは、昔から知っていました。

(じゃあ慣習と言ってもよろしいんでしょうか)

小出:そうですね。慣習だったし、ごくごくありふれた出来事だったと私は思ってましたし、なぜそれが今問題になるのかなあと、むしろそんなことが不思議でした。

(今はですよ、福島第一原発が事故を起こしてる状況でこんなヤラせを要請するっていうのはちょっと間隔がわからないんですけど)

小出:いや今だからこそ、むしろやらなければいけなかったと思います。彼等は。

(そうですか)

小出:はい。

(そういう感覚なんですか)

小出:聞いてみてください彼等に。

(これに関しましてもう一つニュースが入ってまして、鹿児島県議会で先週4日にこの問題について追求されたんですが、その時は九州電力は事実を否定したということでそれが一転して今回事実を認めるということになりましてまあいわば、嘘ついてたということになるんですが、このことについて小出さんはどう感じますか?)

小出:それは国会で追求されて否定することができなくなった。だから認めたということだと思います。

(そうじゃなかったらこのままウソをつきとおしていこうと?)

小出:もちろんです。これまでもずっと嘘をつき通してきたわけですから。

(それと全く同じ形で踏襲して今回の問題に対応してたというわけですか)

小出:はい。

(これを受けて地元の玄海町原発再開を認めた判断を撤回したんですけれども、法的には定期検査からの原発の再稼働に地元の自治体や議会の了解の手続きの定めはないというふうに)

小出:ありません

(聞いたんですけど、これについては小出先生はどう思われます?)

小出:いえいえ、もちろん法的にはないわけですけれども、自主的には地元がお金が欲しいからと入って誘致したわけですし、その地元が了解できないとなればなかなかそれを突破することは出来ないだろうと思います。何としても地元に「うん」と言わせるということが最低必要状況だったと思いますし、そのために地元を困窮させてお金でのませるということをやってきたわけですから、それでももうできなくなっているというのが今の状態だと思います。

(今回立地自治体の玄海町以外の周辺のですね、市町村が再稼働についてかなり反対というか否定的な・・・とってるひとが多いんですけどこれについてどうお考えですか?)

小出:当然だと・・・要するに地元はものすごい交付金等をもらって潤うわけですけれどもその周辺の自治体等はあまり潤わないままきてしまったわけですし、今回のように事故が起きてしまうと何の補助金ももらえなかった交付金も貰えなかったところまでが全村離村しなければいけないということを目の当たりに観てしまったわけですから、やはり反対をせざるを得なくなっていると思います。

(やっぱりこれからの対応としてはもう法的にも地元自治体の了解はしなければいけないとかそういったことをきちんとしていく必要があるわけですよね?)

小出:んー、まあ、そうですね・・・でも・・・これまでの状態で言えば地元の自治体はとにかく金を掴ませられて、了解をしてきたという歴史があるわけですから、地元の了解を法的に義務つけたとしてももちろんできてきたわけですよね。でも地元だけでこんなことが決められるのかというそのことをまず問わなければいけないと思います。

(まあ地元というところが、もう少し地域が広がって、県とかそれこそ九州とか日本とか)

小出:もちろん県ですし、日本の電気を使っている消費地の人たち、東京の人たち大阪の人たち、玄海で言えば福岡の人たちが本当にこんなことを認められるのかということをきちっと考えるようにならなければいけないと思います。

(なるほど。では福島原発の事故の方に戻りますけれどもですね。福島3号機の原子炉建屋に窒素を入れる配管の現場を確認する作業というのが行なわれていて、これが失敗したというニュースが入ってきておりますが。あの窒素を入れるということはですね、3号機はまだ水素爆発の可能性があるということなのでしょうか?)

小出:はい。東京電力がそう思って、その可能性がまだ捨てきれないと思っているわけですね。

(あの汚染水、冷却水のことが報道の中心になっていますけれども、あの、メルトダウンした燃料だとか、まだ何にも前には進んでないんですよね?)

小出:はい。要するに事故、というか原子炉の中がどういう状態になっているということが東京電力すらが正確に分からないというそれほど困難な状況が今あるのです。東京電力はですね1号炉に関しては既にメルトダウンをしてしまったということを認めたわけですけれども、メルトダウンをしてしまったということを認める限りは、水素爆発の心配はもう不要です。ですから1号炉に関してはそうなのですけれども、2号機と3号機に関しては今原子炉が原子炉がどういう状態になっているのかがわからないと、いう状態で苦闘が続いています。ですからあらゆる可能性を考えながら事故に対処しなければならない。メルトダウンをしてしまっているかもしれないし、まだメルトダウンをしていなくてこれから水素爆発が起きるかも知れないということも考えて置かなければいけないという、大変困難な状態にあるわけです。

(特に3号機にはですね。プルトニウムが入ったMOX燃料が使われてたと思うんですが、これがもしあの水素爆発したとしたら大変なことになりますよね)

小出:はい。まああのプルトニウムというのは、人類が遭遇した物質のうちの最悪の猛毒物質と言われるほどの猛毒物質ですので、それを燃料に使うということはもちろん本当はやってはいけないのですけれども、でも、原子力発電をやる、つまり原子炉を動かす限りは膨大な核分裂生成物をとにかく生むということがあるわけで、その膨大な核分裂生成物の危険から比べると、私はMOX燃料としてつかっているプルトニウムの危険は、まだ小さいと私は思います。MOXをやってるからということはもちろん危険ですけれども、そのことによって付加される危険はそれほど大きいと私は思っていないのです。

(もっと問題が大きいところに直面している状態だということですね)

小出:そうです。

(後もう一つ、これから何十年にもわたって私たちはこの事故の対応をおこなって廃棄物を管理していく必要があるわけですけれども、あのこれからこそ、原子力の専門家が必要というときに学生の原子力離れというのが懸念されていまして、優秀な学生が原子力の研究を避けるのではないかということなんですが。このことについては先生どう思われますか?)

小出:はい。今から60年、70年前まで、この日本という国は大日本帝国と言う国だったんですね。その国には帝国大学という大学が7つありました。北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州、いうふうに7つありまして、その7つの帝国大学には1960年代に全て原子力工学科とか原子核工学科という学科ができて日本の原子力を支えようとしました。でそのころは、原子力は夢のエネルギーだとみんな思っていたわけで、私もそうだったわけですが、みんな原子力をやろうと夢に燃えていた時代でした。ただやってみたらば実際にはそんな夢は実現できそうにないということが次々に分かってきた、わけで、もう20年ほど前から、原子力工学科とか原子核工学科とかいう名前をつけてしまうと学生がもう誰も来てくれないと、いう時代に入ってしまいまして。7つの帝国大学から原子力工学科も原子核工学科もすべて消えてしまったのです。つまりもう原子力ということに夢を持てるような時代はなくなったわけですし、そういう時代の中では優秀な学生は誰もこないということになってしまってます。だからまあ原子力を進めるという人たちにとっても大変な困った状態で、文部科学省とかは何とかして原子力の人材を確保しようとお金をばらまいてきたわけですけれども、なかなか来てくれないし、(※ききとれず)は困っていると思います。でも私自身もこれから原子力発電を止められたとしても、膨大に創りだしてしまった核分裂生成物の始末ということはこれから何万年何十万年、あるいは100万年として残るわけですから、何とかして原子力の専門家というのは残さなければいけないと思います。でもどうしていいかわかりません。

(んー、深い問題ですけれども、はい、小出先生ありがとうございました)

小出:ありがとうございました。

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