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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

「京都スタイル」

室温4度。この冬の最低ですね。寒い、というより冷たい、という感覚。じわじわーっと足下から冷えてます。大雪の被害も深刻そうで、この冬は本当に大変だなあ。やっと自衛隊の活動が始まったようですが、もっと早くなんとかならないのかな、と思います。

昨日、いただきもののハムを切ったら、やたらと力が必要で、おかげで右手の指などがまだ痛いです。おいしかったけど、その分の労力を要求されてしまった(汗)母も右手の指が痛いと言っているので、よけいに料理が出来ないなあ。困るなあ。幸いにも私は左手は大丈夫なので、お絵描きは出来そうですが(笑)でもこの冷たさはめげますね。

Web拍手ありがとうございます。

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 「京都スタイル」甘利君香・著

京都の書店には大抵「京都本」のコーナーがあります。観光客のためのものなのか、地元の人間のためのものなのか、いまいちわかりませんが、そういう本が多いのは事実なんですね。で、たまに地元の人間も視点を変えて見てみようという気分でそういう本に手を出します。これもそういう1冊。

東京生まれの著者が京都に住んで10年あまり、そこから気付いたあれこれが描かれています。地元の人間ならば当たり前のことがはたから見たら意外、っていうことが多くて、なかなか新鮮な気分になります。

ここに描かれている京都人気質が100%自分に当てはまっているとは思わないですが、かなりの割合で「ああ、そうかもなあ」と思えるものがありました。

以下、章のタイトル

「わたしがよければそれでいい」

そうなのよね。たとえ急須の本体とふたの柄が違っていても、サイズが合って、自分がそれでいいと思えばいいんですよ。畳やふすまが茶色になっていても、年代物の値うちがあるとか、素材がいいとか思えばそれで満足なんですね。あんまり他人の評価を基準にしないです。

「京都は伝染する」

自分が一番、というのはまんざらいわれのないものではないですね。よくも悪くも個人主義。自分を大切にしたいから、他人のことも尊重する。これが心地よいと感じた人は染まってしまうらしいです(笑)

「高価なものを『ほんのすこーし』」

わかるけど、これは私には当てはまらないなあ。結構安いものを買って満足することが多いし。でもそれも自分が満足していればそれでいいんです。

「すべての価値は自分が決める」

「見せ場」を作れば誰もが美人。華がある人はそこがいいし、眼に自信がある人はそこをポイントにすればいいし、静かな趣を長所とする人はそれを生かせばいい。そこから自信が生まれて来る。これはもう拍手です。自分もそのとおりだと思うから。

京都の人間は「家の格」を気にしないというのもありますね。たとえ相手がどんな立派な格式がある家柄だとしても自分の生まれ育った家に引け目などは感じない。誇りがあるんですね。卑屈になることも、媚びを売ることもしなくていい。

たとえば私などはIT企業の成功者とかもあんまりかっこいいとは思わなかったりします。かっこいいのはきちんとした技術を持っていて、それにプライドを持っている職人さんとか、そういう人たちです。大工さんとかね。ほれぼれしますよね。こういうのも多分京都人の価値観だと思います。

「自然と交流するデザイン」

まあ、京都はわりと町中に緑も多いし、電車で30分も走れば山の中だし、街の真ん中を川が流れているし、どこからでも山が見えるし、否応無しに自然を無視したデザインをするわけにはいかないですが…。でもなあ…見慣れてしまうと京都タワーとかも馴染んでしまうんだよね(笑)私などは京都駅のデザインも初めから好きですし(笑)なんというか適度に新しいものも馴染んでしまう傾向はあるかも。でもこれは将来に渡る課題だとは思います。

著者の人はこういう土地が感性に合ったようです。馴染んでしまえばいいところだとは思います。夏は思いきり暑いし、冬は底から寒いけど。裏表がある京都人とはいいますが、それにも慣れてしまえば悪意のあるなしもわかってくるのかなあ、と。見栄を張る必要がなくて、個人主義でいられる場所が気持ちいいと感じる人にはいい場所なんだろうな、と思います。

そして地元の人間は時々は外からの視点で自己を見つめ直すのも大切かと、改めて思うのでした。

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