つれづれ日記ー逝春抄ー

お絵描きと介護で多忙な日々 双極性2型障害と気長に共生中

「残花亭日録」

 なんだかいきなり涼しくなりました。自室の扇風機でも寒いくらいです。油断すると風邪を引きそうで嫌ですね。

父は今日はわりと大人しく寝ております。朝はちょっとぐずぐず言っていたようですが、単に甘えたかっただけかもしれません(笑)午後からはかかりつけの先生とリハビリの先生が来てくれます。

私も今日、お天気だったら行くべき所があったのですが、雨だから潔く諦めて、(体調も良くなかったし)お絵描きの続きをしておりました。雨だと落ち着けていいですね。おかげでイラストも完成。今日中には更新出来ると思います。鍊

やはりお絵描きというのは静かに自分を見つめ直すのとか、気持ちを鎮めるのにも有効だなあ、と思いました。私には一番癒しになる行為です。撚

Web拍手ありがとうございます。

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 「残花亭日録」田辺聖子・著

日記の形でかかれた夫との最後の日々、看取りの日記。関わるまわりの人々たちの交流や仕事のことなどなど…。フィクションの部分もあるにはあるだろうけど、私はかなりノンフィクションの比重が高いものだと思って読みました。

ご高齢のお母さま(100歳前後かと)と脳の病気で介護が必要になったご主人とを抱えて、ものすごく精力的なお仕事ぶりは驚嘆に値します。執筆活動のみならず、各地での講演、取材などで頻繁に家を空けなければならなくて、田辺さんはとにかくたくさんの人出を借りることを決めました。きちんと面倒をみてくれる人たちがあってこその出張ですね。

でもこれは普通の家庭では出来ることではないと思います。人件費も本当に大変でしょうし。でもデイサービスに出掛けていくご主人の表情とか、つい想像出来て笑ってしまいました(笑)

ご主人の介護は3年に及ぶわけですが、やがて障害ではなく、別の病で遠からずご主人が死に至る覚悟をしなければならなくなります。悲痛な毎日のはずなのに、しごく淡々と描かれていて、かえって真実味がありました。ご主人の表情とか状況とか、すぐにうちの父とも重なってしまうのですね。そして介護する立場からの心情も…。

配偶者の場合と親の場合ではまた違うでしょうが、老境になってから、最愛の人との別れはきっともっと辛いのだろうな、と思います。でも田辺さんはお仕事も辞めません。執筆中は別人格になって、心配も忘れて楽しく描けるからだそうです。うん、うん、それってわかってしまう。だからこそ自分の支えにもなるんですよね。

予告なく突然にくる別れよりも、少しずつ「死」を見つめる準備が出来ることは幸いだったと田辺さんも思っていらっしゃるようです。それは私も同意見。愛情が深いほどに看取りの時間が貴重に思えるのかもしれません。

静かにしんしんと心に積もるものがあります。きっとこれは田辺さんのご主人への最後の恋文なのでしょうね。悲しいというのではなくて、本当にしみじみした共感を抱きました。

今の私にはとても心に響く1冊でした。

田辺さんは若き日の私の「人生を変えた本」の著者でした。やはりそういう方だけあるのねえ、と改めて感慨に浸らせていただきました。ありがとうございます。合掌。