足慣らしを兼ねて、久しぶりに母と100円ショップに買い物に行きました。
近いんですが、ここ数年の介護で足が弱った母にはそれなりにきついらしく、杖を忘れて慌てて自転車で取りに帰るはめになったり…。私は荷物があるから自転車がないと困るんですが、後ろにも荷物用のカゴを取り付けているから、乗せてあげるわけにもいきませんしね~(^^;)
で、まあ、久しぶりの買い物だというので、なんだか荷物も大量になってしまいましたし…。私がひと足先に帰宅して買い足したものを片付けて、その後数十分してやっと母も帰って来ました。帰路で誰かと出会って喋ってたんですね~。まあ、ストレス解消にはそれがベストかもしれませんが…。
ご近所で「ちょっと歩く」というと、必ず誰かに出会って、歩くよりも喋る方が優先になるからなあ…(^^;) 気晴らしにはなっておりますが、足腰を鍛える意味ではどうかなあ?…怪しいところですね(^^;)
そういえば昨日は午後にひょっこりとケアマネのEさんが来られまして、しばしお茶を飲んで帰られましたが、お土産というかなんというか、母の想い出の香りのオードトワレを探し出して持って来てくださったんでした。いや、正確にはトワレじゃなくてヘアローションだったかな。
その昔、カネボウが出していた男性化粧品で「エロイカバリアント」というシリーズがあったんですね。それのオードトワレを愛用していたのが父でした。
何度目かのアメリカ出張からの帰り際に、少しでも荷物を減らしたいと、残っているトワレを全部身体につけてきたそうで、(まわりの席にいらしたお客さん、どうもすみませんでしたm(__)m)飛行機から降りてきた時の父にクラクラと来たのが迎えに行っていた母だった…というエピソードがあったんですね。20数年か、30年くらいもっと昔の話ですが…(^^;)
その後、父が寝込んでからも同じトワレを捜したことがあったんですが、カネボウがいつのまにか男性化粧品から手を引いてしまい、在庫も回収されて、現在ではほとんど市場には残っていないそうです。幻の香りになってしまったんですよね~。ごくたま~にオークションで見かけてもとんでもない値段になっているとか…。
その同じ香りのローションをEさんは市内の古い化粧品店を30軒以上回って見つけて来られたのでした。すごいな~。それを小さな瓶に入れて、父の箪笥の中に置いております。「お母さん、いまだにラブラブやね~」と言われますが、実はそのとおりなんですよね~(^^;) ありがたいことですね。
うちの父の病状ですと、たとえば特養ホームに申請すれば文句なしで最優先に入居出来る状態だったそうです。が、実際には一度もそれをやろうと思ったことはない、とEさんは言われます。
ホームですと父の場合は「まったく話すことは不可能。意志の疎通も無理」と断言されておしまいで、父も意志の疎通を諦めて寂しく死んでいくことになったんじゃないかと思われます。
現実には最後の最期まで意志の疎通が可能でしたし、むしろ本当にクリアな意識と思考の中で、安心させて死なせてあげられて本当によかったと思っています。最後まで人間らしく、家族らしく、というのが望みでしたので。だから我々にも悔いがないんですよね。
父も家族も非常に幸せな看取りが出来た、ということで、わりと稀なケースかもしれないなあ、と思っております。