起きてからかなり時間が経ったので、いくらか気分もましになってきました。
昨日はずっと駄目で、終日不調&不快&うつうつ、というのが続いていましたので、結局なにも出来なかった気がします (ーー;)
で、工藤美代子さんの本。
突然の激しい動悸、冷や汗、呼吸困難(このあたり相当パニックの症状に思える)で救急車で病院へ。あちこち検査をしてもらった結果、最後に「精神科へ行きなさい」と言われて、ご本人も「え?なんで私が??」と信じられない気分。でも渡された薬を飲んでみるとなんだか症状が軽くなった。あとは最寄りのクリニックでかまわないから、とそのクリニック探しが始まった。
けれども、「どっちがビョーキですか??」と言いたくなるような先生に何人も出会ってしまう。院内ネズミのぬいぐるみだらけで、なんだかテレビに出てくる芸人よりも派手な衣装の先生だとか、また別のところでは犬のぬいぐるみに話しかけながら診察する先生だとか。患者は必死ですが、どこかコミカルに思える事実 (^_^;)
で、やっとめでたく信頼出来る女医さんと巡り合うことが出来ました。結局、うつ病の治療は(うつだけじゃなくて他の精神科の病は全部そうですが)いかにして信頼出来る先生に、相性がいい先生に出会えるか(出会えるまで根気よく探す)が最大のポイントだってことですね。あとは薬かな。薬との相性と適量。
工藤さんの体験の他に何人かのうつ病の患者さんに取材して書かれた章があります。
本当に「昨日まで全然そんな感じじゃなかった」人がある日、帰宅してソファに横になった途端、2日間動けなくなった、とか。本当に普通に仕事をしていた人が突然に、というあたり、ちょうど浴槽の水があふれ出す瞬間みたいで、誰もがそうなる可能性があるなあ、と思い知らされます。
そして「死にたいから死ぬのではなくて、生きていられないから死ぬしかない」という心境に追いつめられるんですね。
それでも得るものはあって、一番は「弱者への思いやりと共感、理解」ですね。それから精神疾患に対する社会の偏見、無理解、誤解などの大きさにも気付かされることと。
復職のために履歴書に「空白期間はうつ病の療養をしていました」と書くのではなく、「親の介護のため」と偽らないといけないというのは明らかにおかしいと思います。でもそれが現実。
あらゆる意味でこの社会は少数者や弱者への理解と共感が圧倒的に足りないと思います。でもそのことの辛さに多くの人は鈍感で、いざ自分がその立場にならないとわからないのですよね。
本当に豊かな社会、というのはなんだろう?と考えると、決して経済的な数字だけでははかれない「何か大切なもの」が見えてくる気がします。自殺者の多さやうつ病の患者数の多さがそれを訴えているように思えてなりません。