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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

重要なことを優先し集中すべき 小出裕章

いつものように http://hiroakikoide.wordpress.com/からの転載です。

要約もどうもありがとうございます (^_^;)

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5月19日 重要なことを優先し集中すべき 小出裕章

要約

・(3号機の原子炉建屋に人が入った。入った時間は10分。放射線量は毎時160〜170ミリシーベルト。この値は高いか?)高い。日頃放射線業務に従事している私でも踏み込むのを躊躇するような被曝環境。

・(今後この作業員の方たちは建屋のなかでどんな作業をどのくらいするのか?)私は普通の人の20倍の被曝を我慢することになっている。その私でも、もしそのような放射線量であれば7〜8分しか現場にいられないということ。作業場がもし裏にあるとすると、現場に到着した途端に戻るようなことになる。それでは仕事ができないため、作業員の方の被曝限度が250ミリに引き上げられている。それでも1時間程度で逃げてこないといけない。何が出来るのかと思ってしまう。

・(線量を下げる方法は?)いくつかある。空気中の放射性物質については排風機を使って取り除ける。内部被曝についてはそれでかなりよくなる。それでも格納容器を突き抜けてくるもの、又は水たまりや汚染された壁からの外部被曝は防げない。1号機ではタングステンのスーツを着たそうだが、そのような重い物質をまとってガンマ線を遮ることになる。そのことによって作業は困難になってしまう。どっちにしても大変。

・(冠水が難しくなったため、循環注水冷却を東電がすると言っているが?)それは私がはじめから言ってきた方法。それをするためには今設置してある配管やポンプだけではできず、新たな設備を作らないといけない。熱交換器や浄化系を外につけるとしても、そこまで水をひっぱる配管のために大変な被曝を伴う工事が発生する。

・(冠水もあきらめないと東電は言っているが、可能性はあるか?)ない。格納容器に損傷があるのは確実。そんなことにこだわっていたら作業が延びる。冠水はやる価値もない。本来すべきことに集中すべきだ。

・(リスナーからの質問。冷温停止に持っていけないように思うが、チェルノブイリのように石棺化するというのはどうか?)冷温停止というのは、圧力容器が健全で炉心がそこに収まっており、冷却回路があって循環ができるという状態で炉心を冷やして100度以下にするということ。だが今回は炉心が溶けて落ち、圧力容器の底に穴が空いている。おそらく一部の核燃料は格納容器の底まで落ちている。そういう状況では冷温停止という概念は既に使えない。人間が原子炉を使い始めて60年以上の歴史の中でこんな経験はなく、未知の状態に陥っている。仮に原子炉に鉛や液体金属を入れたとしても、燃料は底に落ちており、それ自体はあまり効果はないだろう。ただ、冷温停止もできず、燃料が落ちているということを考えると、全体を石棺のようなもので覆うしかないというように私は思うようになった。

・事態はだいぶ手を付けにくい形になっており、従来の考え方をリセットして何ができるかを考え直さないといけないだろう。

・(循環注水冷却が実現できずに事態が悪化した場合は、何が想定されるか?)格納容器は損傷していると思う。それは原子炉建屋の地下に4000トンの水がたまっていることから分かる。原子炉に注入した水が流れ落ちてたまったもの。その損傷が今後進んでいって、溶けた炉心が地下に向かって落ちていく。それをどこで食い止めるかという話。少しでも汚染を少なくするために、水を入れ続けて原子炉を冷やすことが必要。ただそれをすると汚染水の更なる増加が避けられない。海にも流れている。それを避けるためにも汚染水の処理を一刻も早くしなければいけない。

・(作業員の年間250ミリシーベルトという許容量がある以上、何人作業員がいても足りなくなる?)現場では特殊な知識がないと役立たないが、そういう人を年単位できちんと揃えられるか考えると、不安を感じる。

・(放射性物質がついた瓦礫について、環境省瓦礫を集めることで放射線量が高くなった場所はないと言っているが、本当か?)原則としては集めればそれだけ放射線量は高くなる。どういう測定をしたのか分からないが、集めれば高くなるだろう。

・(環境省が、一定以上の放射線量の瓦礫は専用施設で焼いて処理すると言っているが、煙に放射性物質が入る可能性は?)もちろんある。焼却施設の廃棄、排煙設備は高性能なものである必要がある。だが、そんな施設を作るには時間がかかる。それより集中すべきは炉心のこれ以上の破壊を防ぐことと汚染水漏洩を止めることだ。

・(それを優先しないと問題の元が解決しないということ?)何でもかんでもはできない。どうしてもというところに力を集中して乗り越えるしかない。

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