既知の物語と歴史ではあっても、この平家滅亡の段に
なると毎回しみじみと諸行無常だと感じてしまいますね。
日本人の感性はもともとそういうはかないものに
心惹かれるようになっているようです。
メランコリー親和型というのかな。消え去るものが
ひときわ美しいという印象を残すからかもしれません。
頼朝兄ちゃんが人気ないのは、そういうはかなさとか
美しさとは無関係の人だったからじゃないかなあ。
清盛に命を救われた時点ではまだ「はかない存在」
だったんですけどね。
理性的で頭もいい人だとは思うんだけどなあ。
やっぱり可愛くないんですよ。
若くしてはかなく散る義経に人気が集まるのも
まあ、仕方がないというか、日本人の心情からは
しごく当然ななりゆきですけどね。
しかしながら、この時代の隠れた黒幕というか、
本当の悪役というか、タヌキ、もとい、大天狗と
呼ばれた後白河法皇の処世術にはちょっと
興味を惹かれているこのごろだったりします。
ええ、もうあそこまで可愛くないとかえって
笑えてしまう人ですよね(笑)