延命の現場なんとなく知ってる
私は母に心臓マッサージをして欲しくなかった。もう苦痛になるだけとわかっていたから、ダメならそこで寿命が尽きたんだと思った。
すでに廃用症候群で胃ろうでの栄養補給、蓐瘡が悪化して感染症にならぬように片足切断。要介護5の現実はリクライニング車椅子でなければ移動も出来ない。おそらくは医療事故で左手は麻痺して拘縮し、おかしな形に固まっている。尿閉のためにずっとバルーンカテーテル留置。そのために膀胱炎になりやすく、予防のための薬も厚生省にまだ認可されていないために個人輸入で使っていただいている。
特養と特養の関係者の方々、医療関係の友人知人にも多大な感謝をしています。
私が車椅子を押して、検査のために病院内をうろうろして回っていた時、心不全の母はしばしば眠っているように見えた。でもあとから考えると意識が薄れている状態だったのかもしれない。
どこまで延命しますか?
入院になった時に主治医の先生に訊ねられた。「延命治療はどこまでしますか?」「心臓マッサージとかですよね?」「はい、でも実は高齢者の場合、心臓マッサージで肋骨がバキバキに折れる可能性があります」
……絶句。肋骨にヒビが入っただけでも痛いのに。
私は何度もこういう決断の場に立たされている。うつだから重要な決断をするな、とかっていうような甘いことは言ってられない。命に対する責任はものすごく重い。
ただ、私にはヒントがあった。うちの家族にとって、病や死は特別なことではなく、したがってタブーな話題でもないので、我が家では日常からあたりまえに話してきたテーマだったことだ。
だから私の決断。「心臓マッサージはやめてください。苦痛を少なく、出来るだけ穏やかに送ってあげてください」もうほとんど祈りだなあ、と自分でも思った。
それが深夜。翌日の深夜に心臓が止まったと電話があった。家族の希望であれば、家族が病院につくまでは心臓マッサージで心電図に反応があるように出来るんでしょうけど、私はそれも拒否したので、病院に着いたのは心停止から30分後だった。
でもなんとか穏やかな表情に見えたので、やっぱり「お疲れさん。どうもありがとうね」という言葉しかでなかった。
こういう時に生かされる日常
元気な時からずっと繰り返し話し合ってきた死生観による。逝くもの、送るもの、共に後悔しないですむように。その決断の結果として見守りの視点がいまも生きていると思う。
後日、明け方に母が「恭子ちゃん、行くよー(^^)」と誘いにきてくれた時は、その時行きたいと願っていた貴船に一緒に行こうということか、さもなくばあの世に行こうということか?としばし悩んだけど。
2人とも元気な時はよく一緒にあちこちうろうろしていたので、まあ貴船のお誘いだと思って一緒に行ってきましたが(^^;) そこで貴船の神さまともご縁がいただけました。遠いから滅多に再訪出来ないのが難儀ですが。
だから私にはグリーフがほとんどないんですよね(^^;) 命も介護も尽くしたと思うので。 生き延びるだけが生ではないです。寿命が尽きた時という指針が個人的にあります。
安倍さんなども外部の暴力による突然な死でしたけど、ほぼ即死状態だったという報道で、もうそこでその場で尽きていたんだなあ、と思いました。医療の方で頑張られましたが、かろうじて奥さんに会えるまで持たせるのが本当にいっぱいっぱいだったのだと思います。
私も同様の覚悟があります。心臓マッサージは不要。
どうか穏やかに苦痛は少なく眠らせてください。みんなあちらで待っていてくれるので(^^) ソフトな離陸が出来ると嬉しいです(^_^;)
父の臨終は自宅で最期のひと息まで看取ったので、それはそれで穏やかに送ることが出来ました。「ゆっくりゆっくりリラックスね」死にゆく人に呼吸を合わせたなんて最初で最後かもしれませんが、私が終わりまで手を握っていることで父の苦痛と不安を軽減出来たのは嬉しかったです。
これも「手当」。生きものから生きものに伝わるもの。それだけの力があるから(^^)
「自分は死ねないかもしれない」と思ってしまう病気があるようです。
でも肉体の致死率は100%。どうせ死ぬのは確実なんだし、慌てて死に急ぐことはないですよ。遅かれ早かれタイムリミットは来ます。その時に後悔しなくていいように、とにかくいま、このときを生きましょう(^^)
母も言っていました。「その時がきたら『嫌や』と言うても行かなあかんのやし、それまでは『なるようになる』で頑張ろな」と。
うん、あの声には後悔はなかったな(^^) あの時は誘ってくれてありがとうね(^^)
たまたま読んでしまったブログの内容がものすごく悲劇のヒーロー&ヒロイン志望みたいな内容で、かなりイラッとしてしまったので読者登録をやめました。あの考え方は卑屈で私には合わない。余計に幸せになれないのにね。想念が未来を作るから。でもいるんだよな、そういう人。
でも自分で不運を招いていることに気付かないという……。世界は感じ方ひとつでかわるのにね。「気付き」って本当に大きいと思います。
カロナールの出荷調整
カロナールは、がん疼痛を抱えている患者さんにも必要な薬です。
— 廣橋猛@緩和ケアの普及啓発 (@hirohashi_med) 2022年7月27日
腎機能が悪いなどで、他の薬には変えられないこともあります。
カロナールが思い通りに使えないと、困るがん患者さんも少なくありません。
コロナの感染拡大が、がん疼痛の治療にも影響でていることを知ってください。 https://t.co/W3LJz45bJA
そっか、カロナールが出荷調整に……。月曜日にはもらえないかもしれないなあ。私は頭痛の頓服しかもらってないけど、足腰の痛みを抱えている弟は、まあアセトアミノフェンでもいいですが。ロキソニンはきつすぎて胃に穴があくと困るので、長期にはもらえないし。バファリンだと血液さらさらでまた鼻血が止まらなくなると困るし。
いや、でも市販のタイレノールもあっというまに店頭から消えるよ。去年もそうだったし。うち一箱ストックあるけど。
あ、そうか、セデスもいけるのか。リンク載せときますね。参考にどうぞ(^^)
ああ、でも本当にすごい感染爆発なんだ。コロナで亡くなる場合の悲惨は最期に手を握ることも出来ず、言葉をかけてあげることも出来ない死になってしまうことです(;_;) 遺骨になるまで家族に会えない……(T.T)