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両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

世代間格差なんて存在しないー本当のことを知って欲しいー

10時半には家を出るんですが、昨夜寝る前に読んだこの記事のおかげで頭にきて、なかなか寝つかれなかった経緯がありまして。

 

これだよ。

 

www.huffingtonpost.jp


今朝起きてもまだ気持ちが納まらなかったので書こうと思った次第。

 

みんな本当に世代間に格差があって、今の高齢者はたくさんお金を持ちすぎていて、そのせいで若い世代が損をしているとか信じてるの?…だとしたら、それはあまりにも無知だと言うしかありません。東大教授すら無知だし (ーー;)

 

 


私の父は1930年(昭和5年)生まれ、母は1934年(昭和9年)生まれ、子供の頃に戦争を経験し、終戦後の食べるものもあらゆるものもない時代に育ち、かろうじて成人し、戦後の復興と経済成長を支えてきた世代です。母は現在81歳。父は2009年に79歳で他界しました。

 

戦後はまだ公的年金制度も確立されておらず、祖父母を引き取るというか、一緒に住む、というのは経済面も生活面も、もちろん介護も含めて、すべてのことを引き受けることでもありました。父は伯父が戦死して一人息子同様だったので、自分の家族の範疇には当然祖父母のことも含まれていました。祖父は年金をもらう前に亡くなりました。のちに祖母がやっといくらか年金をもらえる制度が出来て、ちょっとだけましな気持ちになれたかな?という感じです。

 

父が現役の会社員だったころ、中小企業ではありましたが、それなりに技術を持って海外に進出した企業でもありました。でも当時は週休2日なんてことはなく、休みは日曜日だけで、月に1、2度日直が入るとその日曜休みすら潰れます。はっきり記憶にありませんが、初めの頃には宿直もあったような気がします。セコムなんてないからね。(これは警備員さんの配備で不要になった気がしますが)

 

そういう環境の中でそれでも頑張って世界に通用する優れたモノづくりをしてきたのが父の世代です。そしてそれを海外に販売するために当時はあまりポピュラーでなかった出張をしたのも父の世代です。

 

多くの人が本当に目立たないけれども着実な行動と真摯な努力で世界に冠たる日本製品を作り、広め、経済成長の基本を作ってきたんです。

 

それでも中小企業の給料は決して多くはなく、昔住んでいた借家を「空けてくれ」と言われた時には、会社で借金して家を捜し、そのお金を返すために母もパートに出て二人して頑張ったのですね。築50年のボロ家ですが、そういう歴史があるのです。(だからネズミにただで貸して、齧られたり汚されたりするのがすごく腹立たしい)

 


私も私立高校の受験は諦めたし(経済的事情で)、その後も経済的にはずっと豊かではなかったですね。父はいくらか長期の海外出張のあとで、まとめて手当てが出ると、通勤のための車(たまに家族ドライブもしたけど)を購入するくらいで、本当にモノを大切に使うつつましい生活をしていました。ケチとは違うんですよ。本当に必要な人やタイミングには使いますが。

 

それでも我が家にたっぷり安心出来るほどの貯金があったことはないと思います。数百万もなかったね。定年退職しても1000万に及ばない退職金でした。それでも父が頑張ってくれたという証しは、いま現在母を特養に入れる費用に使っています。遺族年金としてね。それも母が生きていてくれるあいだだけです。

 

現役時代や父の生涯を知る子供としては両親が贅沢したとか、いま現在、年金をもらいすぎだとかは決して思いません。本当はもっとそれ以上のことをしていたから、当然だと思っています。ましてやうちの両親は弟の離婚後、病気で養育費が払えない弟の代わりに孫達が成人するまで送金していました。1000万近い金額です。それで綺麗に貯金もなくなりました。それは生きたお金の使い方だからそれでいいんですけどね。

 

「ずっとお金の苦労していた」と母が言うのも無理ないですね。自分たちの贅沢のためじゃなくて、人の役に立つために使ったから、その点は満足していると思いますが。


若い世代の人たちも、想像してみてください。親の介護をする気もなくて、決して多くはないわずかな遺産をあてにするなんて情けないでしょう?(実際そういう人もいますけど、そういう人は高齢者もらいすぎなんてとても言う資格ないよね〜)

 

 


格差があるとすれば世代間ではなくて、家の格差でしょう。たまたま不動産で土地があったとか、商売がうまくいったとか、代々受け継ぐ財産があったとか、そういう高齢者なら持って死ねるだけのお金を持っているかもしれませんが…。それだって子孫の争いのもとにならないように財産を寄附しちゃったとか、そういうことも少なくないでしょうし、結局、高齢者が残すお金をあてにするのが間違いなんですね。


世代間で分けちゃ駄目なんです。すべてがそれぞれのことを理解しあって、その上で対策を立てないと。誰かのせい、たとえば高齢者のせいだとして、行き当たりばったりなやり方をしていたら、そういうことって結局は自分に、すなわち若い世代に返ってくるんです。忘れないで。

 

世代を越えてみんなで考えて対策していかないと駄目です。

 

本来はこういうことを喚起すべき立場の人があまりにもひどいことを言っているので、頭に来たのと同時に、一人でも多くの人に正しく見る目を持って欲しいと思って、今日はこういうテーマです。ご自分のご両親やおじいちゃん、おばあちゃんの話を聞いてみてください。本当のことを学べる機会は非常にたくさんあると思います。高齢者はネットをやる人も少ないから、私がささやかに代弁しないとなあ、という気持ちに駆られました。

 

世代間格差なんてないよ。いいように騙されないで。みんなが平等に考えていく問題として心に留めておいてくださいね (^_^;)

 

 


今日は暦の上で天赦日と一粒万倍日が重なる非常に縁起がいい日らしいです。
母の手術の無事成功を祈りつつ、ここにささやかな真実の種を蒔いておきたいと思います。

最後まで読んでくださった方々、本当にどうもありがとうございます (^_^)

 

 

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