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「人の心の中にはもともと神と来世がある」:オックスフォード大学の研究結果

個人的に非常に関心がある話題でしたので、メモがわりに転載しておきます。

以下、http://oka-jp.seesaa.net/article/216966709.htmlより。

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「人の心の中にはもともと神と来世がある」:オックスフォード大学の研究結果

3年間にわたる「人の心の中にもともと神は存在するのか」を調査する国際研究プロジェクトが終了

(訳者注) ニュース自体は、2週間くらい前のものなのですが、ずっとご紹介しようと思いつつ、きいろいろな事件や災害や、あるいは暑かったり乱射があったりして伸びていました。

イギリスのオックスフォード大学で、先日、この種の研究では最大規模の調査が3年間の調査期間を経て終えたことが報告されました。その調査とは、

・人間は生まれながらに自分の中に神(あるいはスピリチュアル的な概念)を持っているのか

というものでした。

なんだか一見どうでもいいような研究プログラムに感じる方もあるかしもれませんが、これは大規模な調査で、

・190万ポンド(約3億円)の予算

・20ヶ国のから40以上の分野からなる研究者からなる国際チーム

・3年間の調査期間

という一大プロジェクトであり、190万ポンドの予算などの使途を含めた説明のために、オックスフォード大学では、プレスリリースも発行しています。正式な調査名は「Cognition, Religion, and Theology Project」(認知・信仰と神学プロジェクト)。

この調査の目的は、突き詰めるところ、

「神や宗教は教えられて体得するものなのか、それとも、教えられなくとも生まれつき人間の心の中にあるものなのか」

ということのようです。

世界には宗教を持つ人が多く、それらの人びとは多くが、子どもの頃から生活や学校や家庭学習の中で「神や宗教」を教えられることが多い感じがします。それだけに、

「私たちが宗教を信仰しているのは、教えられたからなのか」

という疑問はあったのだと思います。あるいは、

「教えられなくとも私たちは神のようなものを信仰したのか」

という疑問からのものだったようです。

そして、三年間の一大プロジェクトの調査の結果は、

「人間の心の中にはもともと神や来世(死後の生命)のようなものを信仰する要素が存在する」

でした。

米国のサイエンスニュースからです。

Humans 'Predisposed' to Believe in Gods and the Afterlife

サイエンス・ニュース 2011.07.14

人は本来的に神と来世を信じやすい傾向にある

オックスフォード大学の研究者を中心とした、3年間に「神と人類」を探る大きなプロジェクトの調査結果が出た。それによると、人類は、神や来世(あるいは死後の世界)を自然に信じるという傾向を持っていることが明らかとなった。

このプロジェクトには 190万ポンド(約3億円)の予算が計上され、様々な文化と文明圏にある 20ヶ国の国々から 様々な約 40のジャンルの研究分野の専門家 57名が研究チームを編成した。

この3年間に渡る一大プロジェクトが終結し、その結論として、研究チームは、人間は神や来世(あるいは死後)を自然と信じる傾向にあることが明確であり、また、「神学と無神論の衝突」というものは、人間の心の中に存在する基本的な衝突であることを結論づけた。

(訳者注)上の「衝突」の言い回しは難しいですが、多分、「人間の心の中にはもともと神のような存在がある」ので、「無神論」というものは、人間の心の中では、もっとも対立しやすい存在であるというような意味に読めます。

このプロジェクトは、「神の存在を証明しようとしたものではなく」、また、その反対の、「神がいないということを証明しようとしたものでもない」ということを研究者たちは指摘した。

つまり、神の存在か無神論の証明ではなく、「人びとの心の中はどうか」ということなのである。

人間が神や宗教を信じるようになるためには、「神や宗教に関しての教育が必要なのか」ということや、あるいは、「それがなくても、人は神や来世のようなスピリチュアルな存在を信じるのか」という、人の心の調査なのだ。

オックスフォード大学にある人類学と知性のためのセンター( the Centre for Anthropology and Mind )のジャスティン・バレット博士が率いた今回のプロジェクト「認知・信仰と神学プロジェクト」は、人類学、心理学、哲学、そしても神学を含む分野の研究者たちによって行われた。

そして、全国 20ヶ国から様々な伝統宗教を持つ国、あるいは無神論の社会を経験した国など、宗教的に異なる様々な国の研究者との国際的な共同研究に至った。

今回の研究結果の詳細は、バレット博士が著作で述べることになっている。

著作は、2冊の別々の著作となる予定だ。

バレット博士自身は、心理学者であり認知科学者でありながら、また、生まれながらの敬虔な宗教者であり、神学者でもある。

以下は、この「認知・信仰と神学プロジェクト」見つけられた、いくつかの内容である。

・まだ神学的な教育を受けていない5歳以下の子どもたちは、人間の通常の限界を理解するより、「超人的な特性」のほうをよく理解することが示された。

・(実験)子どもたちに母親が見ていない(つまり母親は中身を知らない)箱の中身について尋ねた。3歳の子どもたちは、「母と神様はいつでもその箱の中身を知っている」と思っていた。

・しかし、4歳になると、子どもたちは「母親がすべてを(神と共に)知っているわけではない」ことを知るようになる。

・しかし、5歳以下の子どもたちは(母親には見えないものがあることを知っても)、世界のすべてをお見通しである神のような全知全能の存在を信じ続けている可能性がある。

・そして、子どもたちは、心、あるいは魂などが死後の世界でも生き続けてることと考えている。これは、多くの異文化の子どもたちの間に共通で、クイーンズ大学アイルランド)、清華大学(中国)などでの実験でも同じことが示された。

・人びとが、「心と体を分離して考える」ことは自然であることもまた示された。つまり人間は自然な状態では二元論者であることを実験は示唆した。

バレット博士は以下のように述べた。

「このプロジェクトは、神の存在を証明しようとするものではありません。現代の社会でも、世界のあらゆる国で宗教的な信条と宗教活動が残っており、社会の中での宗教的な結びつきは個人でもより協力できるものかもしれないと結論します」。

「おもしろいことに、すでに社会的なサポートのネットワークが存在する先進国の住民たちには、宗教はあまり浸透しない傾向にあります」。

また、プロジェクトのロジャー・トリッグ教授は以下のように述べた。

「宗教が人間の生活にとって些細な存在なのではなく、異なる社会にわたる人間性に関しての重要な要素である証拠を私たちは集めた。超自然的な概念や神の存在といった宗教的な概念、あるいは宗教を押さえ込むという試みは長くは続かないことを示唆していると思う」。

(訳者注) 研究チームのトリッグ教授自身が、「神と宗教」を同じもののように語っていますが(宗教活動は人間の社会から消えないというような発言がありますので)、この研究は「人類にとっての宗教」ではなく、「人類にとっての超自然的な存在」の重要性のことだと個人的には理解しています。

つまり、「宗教がなくなっても神は消えない」という意味ではないかと。

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