鬱な気分をいっそううっとおしくする嫌なものが届いた。
同窓会の案内状だ。このあいだ中学のクラス会の案内が来て、今度は高校の同窓会だってさ。もう卒業してどれだけたってると思うのよ~。子供達の世代が中高校生だっていうのにさ。
学校を卒業したあとだって、続く友達なら自ずから続くだろうし、再会するご縁ならどこでだって出会うと思うし。
いまさら旧交を暖める必要性なんてどこにあるんだろう。
私は学校時代にいい思い出がないので、なるべく早く忘れようと努力してきた。それでもわずか3、4年前まではトラウマのように悪夢に見続けた。せっかくそれを見なくなったのに、いまさら亡霊のように現われて欲しくないのだ。
もっとも幹事になった人だってやりたくなくてやってるケースも少なからずあるだろうし、それを思うと気の毒だって思うのね。でもそうまでして同窓会とかクラス会とかやる必要性ってあるのかな?
もうやめようよ、同窓会なんて行事。
うちの母くらいの世代はいいのよ。本当に学校時代が楽しかったみたいだし。不登校の生徒もいなかっただろうし。そういう時代の学校だったんだから、今でも有意義に集れるんだろうけど。
私達の時代には楽しい学校なんてもはや幻想でしかない。もうあの頃に帰りたいとも思わない。懐かしくもない。
楽しかったって人たちだけが集まってやればいいのよ。かつて在校生だったからって、すべての人間に案内状を送らなきゃならない義務なんてないよ。
幹事さんのことを考えると大変に申し訳ないんだけど、返事のハガキを出すと、また次の案内状が来るからこれは出さない。もう私は死んだという返事を家族にかわりに出して欲しいくらいだ。実際に電話できっぱりと断ったこともある。小学校のクラス会だったか。
ごめんね、と心の中ではつぶやきつつ、案内状を捨ててしまう私なのだった。
(もしもこれを見ている同窓生の人がいらしたら、本当に私は死んだことにしてください。以後の同窓会の連絡は不要です。学校の関係じゃなくて、個人的に用事があるという方は別ですけど)