お互いさま おかげさま ありがとう

両親の介護も一段落 双極性2型障害と気長に共生中

介護・看護と「死」に相対する許容量について

 

今日は出来れば母の病院に行く予定なので、予約投稿しておきますね。

 


「蝉時雨のやむ頃」から

 

私の好きな漫画に吉田秋生さんの「海街Diary」シリーズがあります。現在コミックス7巻まで出ていて、映画化もされたんで、ご存知の方も多いかもしれません。

 

 

 

 

この作品がらみで書きたいんで、第1話だけ、ちょっとネタバレです。すみません。

 

鎌倉の古い家に暮らす三姉妹、長女・幸(さち)(看護師)、次女・佳乃(よしの)(地元信金勤務)、三女・チカ(スポーツ洋品店勤務)のもとに「父が死んだ」という連絡が入ります。両親は3人がまだ幼い頃に離婚して、父は出て行き、母は再婚して出て行き、祖母と三姉妹が残りますが、祖母も今は亡く…。

 

「夜勤があるから私は行かない」という幸に頼まれて佳乃とチカは山形に向かいます。そこで出会ったのが父の二人目の妻の娘、母親違いの妹のすず(中学生)でした。

 

葬儀の準備の間、遺産などのことで話し合いももたれますが、父の3人目の妻の陽子と血のつながらない子供達を見て、末の妹のすずのことがやはり気がかりです。

 

葬儀の席で陽子はただ泣くばかり。会葬客にも挨拶出来ず、臥せっていたりします。そのあいだ中学生のすずは涙もこぼさず、静かに座っています。葬儀が終わりに近づいたころ、遺産のことで呼び出された幸が駆けつけます。泣いて会葬者への挨拶も出来ない陽子、すずにさせればいいという伯父たちの意見に対して、幸はきっぱり告げます。

 

「これはおとなの仕事です。おとなのするべき仕事を子供に肩代わりさせてはいけないと思います。私の勤務している病院の小児科病棟には、いわゆる難病といわれている子がおおぜいいます。そういう子は例外なくいい子でしっかりしています。なぜだかわかりますか?厳しい闘病が彼らが子供でいることを許さないからです。子供であることを奪われた子供ほど哀しいものはありません。」

 

結局、陽子が挨拶をして、その場は終わりました。(そしてあとでちゃんとフォローもする、できる幸姉なのでした)

 

陽子の様子を見ていた佳乃とチカが「あの人(陽子)にしちゃよくやってくれたんじゃない?」を話していると、幸は「あの人は大して病院に来ちゃいないわよ」と言います。

 

「ああいうタイプが死にかけている病人と向き合えるわけないじゃない。いるのよね、時々。現実が受け入れられなくて尻込みしちゃう家族が。弱っていく家族の姿みたくないのかもしれないけど、くることは来ても病院にいるのなんかほんの10分足らず。着替えを届けにくるだけでさっさと帰っちゃうの。それでも本人は精一杯看病しているつもりなのよ。その意味ではウソはないの。それが限界なのよ。」

 

「死んでいく人と向き合うのはとてもエネルギーがいることなの。許容量が小さいからってそれを責めるのはやっぱり酷なのよ。」

 

父を最期まで看取ってくれたのはすずだと見抜いたのも幸で、「ありがとうね」という幸の言葉でやっと大泣きすることが出来たすず。それからのちは鎌倉で3人の姉たちと暮らすことになります。

 

 

他人事とは思えない

 

長い引用ですみませんでした。でもここに引用した、看護師・幸のセリフはとても重くて、現実に介護に向き合っている身としてはすごく共感したゆえに忘れられなくなったというのが正直なところです。

 

で、現実に両親の老いと死の準備に向かい合えないでいるのがやっぱり弟かなあ、と思えるので…。

 

死んでいく人に付き添い、寄り添うのは半端じゃないエネルギーがいるのもその通りですが…。

 

私と同じとは言わないが、半分でも1/3でも動いてくれたら、ものすごく助かるのになあ、とはどうしても思ってしまいます。同じ姉弟なのに、どうしてこう違ってしまったのかわかりませんが、弟の場合は許容量小さいですよね。よく結婚して子供も生まれたな、と思いますけど…。

 

同じように内向的でも、弟の場合はほとんど本を読みません。読む習慣がないのです。読もうと思えば私の本がこれだけ家の中に溢れているのに。観葉植物とか熱帯魚とか金魚とか育てるのは好きなようです。(私はそっちには関心がありません。なにか魚がいても目に入らないし)あとはギターなど弾くくらいかな。

 

タイプ違いますよね。今は気力がないからやりませんが、本来は電気関係のことが専門です。

 

 

ブログでのはけ口ですみません

 

これ以上書くと愚痴になってしまいますが、私がいないあいだにせめて食べた食器を洗って片付けて欲しいとか、そういうことは思います。もう、疲れた戻るといきなりフライパン洗うのは嫌だなあ、と。ご飯の用意までしなくていいけど。遅くなったら一人で食べて帰れたら楽なのになあ、とか、そういうことは思ってしまうな…。

 

ちなみに上の四姉妹はさすがに女子ばかりなので、手が空いてるとか、作りたい人が作るとかやってるみたいです。いいなー。

 

 

今回の母の入院は、親戚や母の友人には誰にも知らせていません。まあそんなに深刻な病気じゃないからというのもありますが、みなさんご高齢なので、「代わりにお願いします」と頼むわけにいかないからです。思うように動けない人たちに下手に知らせて心配だけさせてもいけませんし…。

 

胃ろうの場合も手術は手術になるんですが…。そんなに大変じゃないと思うし…。(保険の医療費分を申請するかどうか迷うくらいなので…)

 

やっぱり私しかなんとかする人間がいないのが現実です。

 

ブログで書く分には「来てください」とか言える人がないから、吐き出すだけで安心というか、そんな意味もあります。読んでくださった方々にはひたすらに感謝です(^_^;) ありがとうございます(^^)

 

 

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