Kindle Unlimited 読み放題の長所と短所
ひと月で主に漫画を中心にKindle Unlimited 読み放題で90冊以上の本を読んだわけですが、私の場合、Kindleだとどうしても扱いがいい加減になってしまうような気はしました。
「限られた予算の中から、吟味して買って、何度も何度も大事に読む」というような本の読み方をしないから、いいのか悪いのか悩むところです。数ばかり読んでもね…。
まあ、確かに心身が弱っている時には気楽に漫画のシリーズ物が読めて有難くはあるんですけどね…。良し悪しはやっぱりあると思うな。活字の本は紙書籍でじっくりがいいな。
…というわけで、紙書籍かつ活字の本です。
「自殺“最”希少地域」のレポート
徳島県南部、海に面した海部町(現海陽町)。ここは全国でも極めて自殺率の低い「自殺“最”希少地域」だった。
いままでは「どうして自殺率が高いのか?」で注目されるケースが多かったと思うんですが、ここは逆の発想で「どうして自殺率が低いのか?」という理由を4年がかりで現地調査して探っていかれた一つの結果です。これがとっても興味深いです。
帯に書かれている「町で見つけた五つの自殺予防因子」というのが…
「いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい」
「人物本位主義をつらぬく」
「どうせ自分なんて、と考えない」
「『病』は市に出せ」
「ゆるやかにつながる」
…これを見ただけでもすごく思い当たる部分が多いのですね。…っていうか、私って7、8割は当てはまる考え方をしてないか?と思った次第です。
「関心はある」けれども「監視はしない」つながり。挨拶程度で、それ以上踏み込まない。でもいざという時には気軽に手を貸す。
学歴とか地位とか財産とかで人を選ばない、適材適所を活用する。自分の価値観を押し付けない。他人は他人、自分は自分。「誰かがそうするから自分も…」とは思わない。
精神疾患でも特別視はしない。でもいいアドバイスはする。偏見がない。気軽に病院に行ける、病気について話せる雰囲気がある。
「どうせ自分なんて」とは思わないから、政治などにも関心が高い。参加する。
学校の部活などでもしごきやいじめがない。場が炎上しかけたら、うまく雰囲気を変えるスイッチャーがいる。
…ほかにもたくさんあるんですが、みんなと同じでなくても、なにかを断っても後腐れがないというか、それで気まずくなる心配はない、とか、人間関係の潤滑油みたいなのは大きいな、と感じました。
多様性を認めるところに意味がある??
「いろんな人がいたほうがいい」という価値観の中で、暮らしにくいと感じる人は少ないと思います。生まれた国が違うとか、経済状況が違うとか、家の歴史が違うとか、病気や障害があるとか、そういうことは普通のことで、みんなが一緒に同じ町で暮らしている…。
私はそういうのって当たり前だと思うんだけど、なにかと人間を差別したがる人があまりにも多いので、そういうところでは誰も思いきり息ができないよなあ、と思いました。いろんな人がいてもいいと考える人はあまり他人を責めません。対立することがあっても「まあ、いいか。ああいう人もいるよな。世の中広いしな」と思うと、心が解けるのも早いようです。
海部町から都会に移住した人たちがそういう感じらしいです。
私が希死念慮に負けないわけ (^_^;)
翻って。私が現在住んでいるところもわりとそういう感じかもしれないなあ、と思います。ご近所づきあいがね。この辺はいろいろな人が住んでるし…。それが当たり前だという感じでずーっときてるから…。
それで私自身が長いついあいでも希死念慮に負けずにいられるのは、やっぱりどこかに海部町の人たちと共通点があるからかもしれないなあ、と思いました。まあ、人との距離感がちょうどいいですけどね。それが一番有難いかもしれません。
そういうところから取り入れていくのも暮らしやすくなるヒントかもしれませんね〜 (^_^;)